喪中には、
お祝い事をしないというイメージは
持っている人が多いと思います。
新しい年を迎える時期で
お祝いムードの年末年始は特に、
喪中に控えるべきことが
多く感じるかもしれません。
忌中(きちゅう)か喪中(もちゅう)かによっても、
控えるべきことが変わってきます。
一般的に、忌中は四十九日法要まで、
喪中(もちゅう)は一周忌法要までと
されることが多いです。
今回は主に、
喪中でお正月を迎える場合に
気をつけたいことを確認していきましょう。
喪中に食べていいもの&ダメなもの
まずは、お正月料理のメインとなる
おせち料理で気をつけるべきことです。
喪中に気をつけること① 重箱を使わない
重箱には喜びや幸福が重なるようにという
願いが込められています。
喪中には不幸や悲しみが重なる意味を
持ってしまうので避けましょう。
喪中に気をつけること② 家族のみで食べる
親戚や友人を招いて
おせちをふるまわないようにしましょう。
喪中に気をつけること③ お屠蘇(とそ)を飲まない
現代では清酒が使われることが
ほとんどですが、
本来は漢方薬などを浸した薬膳酒であり、
無病長寿を祈って
元旦の朝に酌み交わす祝い酒です。
新年の邪気を払う意味もあるため、
夜に少々味わう程度におさえて
飲むのはよしと考える意見もありますが、
飲みすぎないよう注意が必要ですね。
喪中に気をつけること④ 紅白を避ける
おめでたさや喜びを表す色です。
紅白かまぼこや紅白なますを避けます。
また、祝い箸を使わないようにしたり、
食器や敷紙にも紅白が使われていないか
気を付けなければなりません。
喪中に気をつけること⑤ 金箔を避ける
豪華さ、豊かさ、華やかさの象徴の
金色を避けましょう。
喪中に気をつけること⑥ 飾り切りに注意…
つながりを連想する結びこんにゃく、
松竹梅をかたどった梅花にんじん、
長寿をあらわす菊をかたどった
菊花だいこんなどがあります。
喪中に気をつけること⑦ その他の避けたい食材
鯛(おめでたい)、
伊勢海老(長いひげと曲がった腰=長寿)、
昆布巻き(よろこぶ、結ぶ)、
数の子(子孫繁栄や二親健在)、
くわい(芽がめでたい)
などがあります。
避けなければいけないことが多く感じますが、
お祝いや華やかさを意味するものを
選ばないことがポイントです。
喪中でもたべてよいもの① 黒豆
続いて、喪中でも
食べてもいいおせち料理も確認していきましょう。
まめによく働く、一年間健康に、
働けますようにという思いを表します。
喪中には金箔をのせないようにしましょう。
喪中にたべてよいもの② れんこん
見通しが効く、
見通しの明るい一年になりますようにという
思いを表します。
種が多いことから子孫繁栄の意味もあります。
また、れんこんの花である蓮の花は
「最も極楽浄土にふさわしい花」
として神聖な植物とされています。
喪中にたべてよいもの③ たたきごぼう
たたいて開くことから
開運、ごぼうの育ち方から
家族がその土地に根付いて
安定して暮らせますように、
薬として重宝されることから
健康への願いが込められています。
喪中にたべてよいもの④ 伊達巻
巻物のような形をしているため、
学業が成就しますようにという
思いを表します。
喪中にたべてよいもの⑤ 田作り
イワシは畑の肥料として使われて
豊作であったことから、
五穀豊穣、豊作祈願の意味を持ちます。
喪中にたべてよいもの⑥ 里芋
一つの株からたくさんの実をつけることから、
子沢山、家がこれからも
残っていくという意味を表します。
これらの喪中に食べてもいい食材を
お皿に盛り付けて、
喪中のおせち料理を作ってみるのも
いいかもしれませんね。
また、喪中のおせち料理の
代わりに作られる料理に、
「ふせち料理」というものがあるのを
知っていますか?
お祝いの食材を使っておらず、
精進料理がベースとなっています。
注文できる仕出し屋や料理店もあるので、
活用してみるのもいかがでしょうか。
喪中にたべてよいもの⑦ 年越しそば
その他の年末年始に
食べていいものとしては、
…細く長く伸びることから
健康長寿の祈願、切れやすいことから
1年の厄落としの意味があります。
お祝い事の意味が含まれていないので
喪中の期間も問題ありません。
喪中にたべてよいもの⑧ お雑煮
かつてはお餅はお祝い事や
特別な日に食べるものであり、
お餅とその土地で採れた収穫物を
神様にお供えする目的がありました。
現代では日常的に
お餅を食べることも多く、
忌中を過ぎた喪中であれば
食べてもよいと考えられています。
注意点として、
紅白を示す大根と人参などは
避けるようにしましょう。
他に喪中のお正月で避けるべきことは?
喪中のお正月には、
食べ物以外にも避けたいことがあるので
確認しておきましょう。
喪中に避けること① 年賀状を送る、新年の挨拶をする
一般的には喪中はがきを
11月中旬から12月上旬に送ります。
間に合わなかったり、
喪中であることを知らせていなかった人から
年賀状をいただいた場合は、
1月7日以降に寒中見舞いを出して知らせます。
人に会ったときも「おめでとうございます」を避け、
「昨年はお世話になりました」や
「今年もよろしくお願いします」などと挨拶します。
喪中に避けること② 正月飾り
門松、鏡餅、しめ縄などの正月飾りには、
歳神様を迎え入れ、
何事もなく旧年を過ごすことへの感謝、
新年のお祝いを示す意味があるので
飾らないようにします。
喪中に避けること③ 神社への初詣
忌中の間の神社へのお参りは
してはいけないとされています。
神社によっては喪中も
お参りを禁じているところもあるので、
神社への初詣は避けるのが無難です。
一方、お寺では死を穢れとする考え方がないので、
訪れても問題ありません。
日頃の感謝を伝えたい場合は、
お寺へのお参りがいいでしょう。
喪中に避けること④ お年玉
本来は神様からの贈り物を
意味していたお年玉。
しかし、現代では
子どもにお金を渡すことは
差し支えないと考えるのが主流で、
実家や親戚からのおこづかいの意味合いで
渡されていることがほとんどです。
子どもたちが楽しみにしているので
何か渡してあげたい場合は、
おめでたい柄のポチ袋を避けたり、
「おこづかい」や「文具代」「書籍代」など
名目を変えて渡すと、
心遣いが感じられます。
まとめ
喪中のお正月には避けるべきことが
いくつかありました。
現代では
法律で決められているものではないので、
必ず守らなければならないものではなく、
地域や人によっての考え方の違いもあります。
あくまでも一般的なものになってきていますが、
故人を偲ぶ期間を大切に過ごすためにも、
マナーとして頭に入れておきたいですね。