一月一日に食べるお祝いの料理が、
おせち料理です。
元々は神様に供えるもので、
縁起物がたくさん入っているのですが、
それぞれの料理にはきちんと意味があるんです。
子どもに聞かれたりしたら、
説明してあげたいですよね。
というわけで今回は、
おせち料理の一つ一つのおめでたい意味について、
解説したいと思います！
お正月におせち料理を食べる理由は？
おせち料理の歴史は、
なんと奈良〜平安時代にまで遡ります。
奈良時代の朝廷では、
暦での節目の日＝節日(せちにち)に
神様への感謝を込めた宴会を行っていました。
それを「節会(せちえ)」と言いました。
平安時代になると、
朝廷での節会は「五節会(ごせちえ)」が
主流になります。
五節会とは、
一年のうち特に大切な節目である五日＝
1月1日(元日)、
1月7日(白馬)、
1月16日(踏歌)、
5月5日(端午)、
11月(豊明の辰の日)
に行われる宴会のことです。
五節会では、
神様へのお供え物として、
「御節供(おせちく)」という
豪華な料理を振る舞っていました。
江戸時代になると、
幕府によって「五節供(ごせちく)」という
五日の大切な節目の日が、
公式な行事として制定されます。
このとき、五日の節目の日は、
中国の節日の影響も受けて、
1月7日(人日)、
3月3日(上巳)、
5月5日(端午)、
7月7日(七夕)、
9月9日(重陽)
に変更されます。
五節供は庶民も祝うようになり、
一般家庭でも御節供が
食べられるようになったのですが、
時代の流れとともに、
お正月というもっとも大切でおめでたい節日である
1月7日に食べる御節供だけを、
「おせち料理」と呼ぶようになりました。
それがそのうちに、
1月1日に食べる料理に変わっていったのです。
歴史の変化の中で、
庶民の家庭に根付いたおせち料理ですが、その由来は
「大切なお正月にやってくる、神様へのお供え物」
ということだったんですね。
なお、お正月にやってくる神様というのは、
「年神様」です。
新年の幸せを家に運んでくれる年神様を、
豪華で美味しいおせち料理でお迎えしましょうね！
おせち料理の食材の意味は？
おせち料理は、神様へのお供え物ですから、
縁起物やおめでたい食材・料理を使っています。
それぞれに大切な意味があるので、ぜひ知っておきましょう！
一の重
黒豆(くろまめ)
「まめに働けるように」という願いから入れられます。
田作り(たづくり)
昔、カタクチイワシは畑の肥料に使われていて、
その畑はとても豊かになったと言われています。
そのため、カタクチイワシを使った田作りは、
「五穀豊穣」の縁起物と言われています。
数の子(かずのこ)
数の子は
たまごがたっぷりついていることから、
「子孫繁栄」を願う縁起物です。
子どもが欲しいと思っている
パパママさんにぴったりですね。
伊達巻(だてまき)
巻物のような形は
勉学を連想させることから、
「学業成就」の意味があります。
受験を控えている学生さんは、
ぜひ食べたいところです。
紅白かまぼこ(こうはくかまぼこ)
赤い色には魔除けの意味があり、
白い色には清浄の意味があり、
どちらも縁起の良い色として扱われています。
お正月には、かまぼこの他にも
紅白のものを多く飾ります。
栗きんとん(くりきんとん)
栗は「勝ち栗」とも呼ばれ、
縁起物として食べられてきました。
さらにそれを黄金色に輝くきんとんにすることで、
豊かに一年を過ごせるようにと願いを込めています。
昆布巻き(こぶまき)
「よろこぶ」の言葉から、
昆布は縁起のいい食べ物と
されています。
二の重
ぶりの照り焼き(ぶりのてりやき)
出世魚のぶりを食べることで、
自分も出世できるようにと
願いを込めています。
仕事を頑張っている方におすすめの食材ですね。
海老(えび)
えびは髭が長く、背中が丸くなっているので、
長寿の象徴とされています。
そのため、長生きを願って入れられます。
紅白なます
こちらも、紅白かまぼこと同じく、魔除けの赤と清浄の白から、入れられています。
三の重
蓮根(れんこん)
穴があいているれんこんは、
「将来の見通しがよくなるように」という
願いから入れられます。
牛蒡(ごぼう)
ごぼうは長い根を
地面にしっかりと伸ばすことから、
「一族が根付いて繁栄するように」
という願いを込めます。
里芋(さといも)
里芋は、親芋に小芋や孫芋がたくさんつきます。
そのことから、「子孫繁栄」の意味があります。
くわい
大きな芽が特徴的なくわいは、
「芽が出る」＝「出世する」という
意味があります。
いかがでしょうか？
これまでは、
おせち料理をただ美味しい特別なお料理と
思っていたかもしれませんが、
こうしてそれぞれの意味を知ると、
自分の願いになぞらえて
食べるものを選びたくなりますよね。
ぜひ、子どもたちにも
教えてあげたいものです。
まとめ
今回は、おせち料理のそれぞれの意味について
解説しました！
おせち料理は、
もともと奈良時代や平安時代の朝廷で、
おめでたい日に開かれる宴会で
神様に供えられる「御節供(おせちく)」という
特別な料理でした。
それが江戸時代頃から庶民にも広まり、
「おせち」として広く親しまれるように
なりました。
元が神様へのお供え物であることから、
おせち料理の食材には
縁起物がたくさん使われています。
たとえば、
「長寿」のえび、
「子孫繁栄」の数の子、
「五穀豊穣」の田作りなどです。
それぞれにきちんと意味がありますので、
それを知った上で食べると
よりありがたみを感じるかもしれませんね。
