冬になると、街中で赤い小さな実が
たくさんなっているのを
見かけるようになりますね。
このような赤い実といえば「南天」が有名ですが、
じつはあなたが見たのは、
同じような赤い実をつける「千両」か「万両」かもしれません!
今回は、
とってもよく似ている赤い実をつける植物
・「千両」
・「万両」
・「南天」
の3つのカンタンな見分け方や違いを、
分かりやすく解説します。
千両・万両・南天の違いと見極め方
11〜12月くらいになると、
1cmにも満たない赤い小さな実が
たくさんなっている木を
見かけたことはありませんか?
家の庭や、神社やお寺の中など、
いろいろなところに植えられていますよね。
寒くて暗い季節に、
鮮やかで可愛らしい真っ赤な実を見つけると、
なんだか嬉しくなってしまいます。
この赤い実が、一体なんという実なのか、
あなたはご存知ですか?
「南天!」と答える人が多いのではないでしょうか?
確かに、小さな赤い実をつける植物として、
もっとも有名なのが「南天」です。
「南天のど飴」などで耳にする機会が
多いからかもしれませんね。
ところが、南天のように小さな赤い実をつける植物が、
他にもあるんです!
それが、「千両」と「万両」です。
いずれも、赤色が厄除けの色とされていることや、
おめでたい名前であることなどから、
縁起のいい植物として、
昔から日本人に愛されています。
そのため、街のあちこちで
植えられているんですね。
では、これら「千両」「万両」「南天」の違いとは、
一体何なのでしょうか?
詳しい違いや見分け方をご紹介しますね。
「千両」の特徴
センリョウ科センリョウ属の植物です。
千両の実は、他の2つと違って、
上に向かってつくのが特徴的です。
葉のふちはギザギザとしています。
「千両」という名前が、
たくさんのお金を思い起こさせることから、
縁起のいい植物と考えられるようになりました。
「商売繁盛」の縁起物としても人気です。
上向きの実が扱いやすいためか、
お正月飾りのアレンジメントや、
切り花によく使われます。
「万両」の特徴
サクラソウ科ヤブコウジ属の植物です。
万両の実は、
さくらんぼの実のなり方に似ていて、
下向きに垂れ下がってつきます。
葉のふちは波形になっています。
「万両」という名前が、
千両と同じようにたくさんのお金を
思い起こさせることから、
「商売繁盛」の縁起物と考えられるようになり、
大切にされています。
鉢植えで売られている赤い実といえば、
万両が一般的です。
「南天」の特徴
メギ科ナンテン属の植物です。
南天の実は、ブドウの房のように
一つの枝にたくさんつきます。
葉のふちはつるんとしています。
南天=「難を転ずる」という語呂合わせから、
縁起物として重宝されるようになりました。
実や葉には殺菌効果があり、
昔から薬用に重宝されてきました。
実には咳止めの効果があるとされており、
「南天のど飴」の原料にもなっています。
とってもよく似た3つの実ですが、
植物の分類から違いますし、
並べてみると実のなり方や葉の形が全然違います。
街中で赤い実を見かけたら、
どの実なのか観察してみてくださいね!
お正月飾りにはどの実を使えばいいの?
さて、街中で見かける小さな赤い実たちですが、
門松やしめ縄飾りなどの
お正月飾りにもよく使われていますよね。
華やかな赤色が飾りの彩りになるのはもちろんのこと、
やはり縁起物であることから、
お正月に飾られているのです。
では、お正月飾りに使う赤い実は、
「千両」「万両」「南天」のうち
どれがいいのでしょうか?
実は「これがいい!」という決まりは特にありません。
先ほど説明したように、
実のなり方に違いがあるので、
お好みのものを選べばOKです。
お正月シーズンには、
お花屋さんでこれらの実がたくさん取り扱われますが、
季節もので人気もあるため
売り切れることも多いようです。
ですから、
「本当は千両が欲しかったけど、
南天しか残っていなかったから
南天を飾ることにした」
なんてこともよくあります。
それくらい、どの実を飾るべきかということには
それほどこだわらなくてもいいようですね。
ただし、花言葉でどれを飾るかを選ぶのも
いいと思います。
「千両」や「万両」には、
・「富」
・「財産」
といったお金にまつわる花言葉が
ありますので、
商売繁盛や一家繁栄を願うときにオススメです。
「南天」には、
・「良い家庭」
・「私の愛は増すばかり」
・福をなす」
という花言葉があり、
家庭円満を願う人たちに人気ですよ。
お正月には、
あなたの好みにあった赤い実を飾って、
福を願ってくださいね。
まとめ
今回は、寒い季節に小さな赤い実をつける
「千両」「万両」「南天」の違いや
見分け方について、解説しました!
どれもよく似た実をつけますが、
「千両」は上向きに実をつけて、
葉はギザギザ。
「万両」はさくらんぼのように実をつけて、
葉は波形。
「南天」はブドウのように実をつけて、
葉はつるん。
と覚えておくと、
簡単に見分けることができますよ。
お正月飾りにもよく使われる赤い実ですが、
どれを使わないといけないということはありません。
実の形や、花言葉を参考にして、
好きなものを選んでみてくださいね。