あなたは、カレーを作るとき、
どんなお肉を入れますか？
「うちは豚肉だよ〜」と答えたら、
「え！？」と驚かれたってこともあるようす。
どうやら、カレーに入れるお肉には、
地域差があるようです。
今回は、そんなカレーのお肉問題について、
詳しくお伝えしたいと思います。
カレーに豚肉はありえないの？
みんな大好きなカレー！
ビーフカレー、夏野菜カレー、シーフードカレー、
マッサマンカレーなどなど、入れる具材によって
カレーの種類もさまざまですね。
そんなカレーの具材の中でも、
欠かせないのがお肉です！
カレーに入れるお肉にも、
牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉など
いろいろありますが、
あなたのおうちは何肉を入れますか？
うちは豚バラのブロック肉を
一口大に切って入れます。
食べ応えがあって、
美味しいんですよ〜！
…と、ママ友に話していたら、
「え！？豚肉入れるん？」との反応。
私はずっと豚肉派だったので、
この反応には逆に驚きました。
なんと、他のママ友に聞いても、
カレーは牛肉や鶏肉を使っていると言うんです。
「え？カレーに豚肉って、
もしかしてありえないの？」
と不安になったのですが、
あんなに美味しいのに、なんで？
実際のところ、豚肉のカレーは
ありえないのでしょうか？
結論から言うと、豚肉のカレーが
ダメということは全くありません！
豚肉のカレー＝ポークカレーは、
いろいろなレシピ本やレシピサイトに
たくさん載っていますし、
有名なレストランやカレーチェーン店でも
多く提供されています。
牛肉のビーフカレーや、
鶏肉のチキンカレーも美味しいですが、
ポークカレーには他のお肉にはない
とろける食感がありますし、旨味もたっぷり。
豚肉にはビタミンB1が
豊富に含まれているのもいいところです。
こんなに美味しくていいことだらけの豚肉のカレーが、
どうしてあまり作られていないんでしょうか。
全国では東が牛肉で西が豚肉？
いえいえ！豚肉のカレーを作る人も、
たくさんいるようなんです。
ただ、私の周りには、
豚肉を使わない人が多かっただけなんでしょうか…？
実は「カレーには何のお肉を使っていますか？」という
アンケートをとると、明らかな地域差が出るというのです。
関西では牛肉を使う人が多いのに対して、
関東では豚肉を使う人が多いんです！
ちなみに、私は関西の人間です。
だからだったのかもしれませんね〜。
この傾向は、カレーだけでなく、
肉じゃがやお鍋など、さまざまな料理に現れてくるんです。
何か理由があるのでしょうか…？
その理由を紐解くと、
明治時代頃にさかのぼります。
明治時代には外国の文化がさかんに取り入れられ、
「文明開花」が起こりました。
そのうちの一つが「食肉文化」で、
日本人にとってあまり馴染みのなかった肉料理が、
どんどん人気となっていきました。
それにより、農耕用に飼われていた牛は
食用となっていきました。
特に関東では「牛鍋」がブームとなったこともあって、
牛肉は多くの人から愛されるようになりました。
さらに、関東大震災の後、
経済復興のために安くつく養豚が推奨され、
養豚ブームが起こります。
そして豚肉は安定的に供給されるようになり、
牛肉より安い豚肉が
広く愛されるようになったのです。
こういった経緯があって、
関東では豚肉がよく使われるようになりました。
カレーや肉じゃがなどに
豚肉が使われることが多いのは、
こういった歴史が関わっていると考えられています。
一方の関西では、牛肉が変わらず好まれていました。
近江牛、松阪牛、神戸牛などのブランド牛が
関西に多いことからも分かるように、
関西では昔から牛肉の文化が根ざしていて、
関東ほど豚肉の流行は起こりませんでした。
こんな歴史があって、現代でも
「関東は豚肉、関西は牛肉」が
好まれているということなんですね。
まさか、カレーから日本の歴史を
紐解くことになるとは…。
食文化っておもしろいですね。
まとめ
今回は、「カレーに豚肉を入れるのってありえないの？」と
いう疑問におこたえしました。
関西ではカレーには牛肉を入れる人が多く、
関東では豚肉を入れる人が多いという
地域差があることが分かりました。
これは、関東で明治時代に
牛鍋がブームになったことや、
関東大震災後の復興のために
養豚がすすめられたことが
影響していると考えられています。
豚肉にはビタミンB1が豊富で、
他のお肉と違った脂のとろけ具合が
美味しいですよね。
ぜひ、カレーに豚肉、
どんどん使っていきましょう！
